畠中登記測量事務所 の日記
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支払い命令の特別送達
2023.02.23
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シュレダーをかけていると、ついつい内容が気になり書類・図面に目を通す。
見覚えのある図面があった。
この現場は今でも鮮明に思い出すことができる。
まだ開業したてで、近くの不動産屋さんに挨拶したときに運よく境界確定の依頼があった。
現場は岡山県東部の邑久町(現在は瀬戸内市)の高台で海が見える素晴らしいロケーションであった。
その頃はバブルがはじけて不動産取引もやや下降気味の時代だと思う。
少し前まではその付近は関西圏のデベロッパー達がどっと押し寄せて、「海が見える別荘」を次から次と建てていた。
この現場も近くの不動産屋さんを介して大阪のデベロッパーが開発するようだった。
同じ地域で3現場があり、2現場までは支払いも滞りなくあった。
最後の現場で隣との境界をそのデベロッパーがよく確認せず、間違った箇所に擁壁を作ってしまい、その間違えて部分を分筆して、所有権移転することになった。
登記が終わって成果品・請求書を郵送で送ったのだが、なかなか振り込みをしてくれない。
電話をすると、のらりくらりで埒が明かない。
そのうち電話もつながらなくなり、「こりゃーやばい」とすぐに内容証明を送った。
宛先不明で返ってこないので届いているはずだが、何の反応もない。
このままもらいそびれるのは士業のはしくれとしていやなので、裁判所の支払い命令を出してもらうことにした。と言っても、まだ一度もしたことがないので、簡易裁判所に何度も行って教えてもらことにした。
けっこう丁寧に教えてくれて、なんとか支払い命令の特別送達というところまこぎつけた。しかし時すでに遅しで、あて先不明で返送されてきた。
ダメもとで、所有権移転後の大坂の会社に事情を説明した文書を請求書と一緒に送った。
相手も気の毒だと思ったのか、「全額は払えないが、半額なら払う」と連絡が入り、何とか半額でもいただいた。
あそこで諦めていたら、まったくのゼロだったのが、半額(10数万)でももらえたのは収穫だった。