畠中登記測量事務所 の日記
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永久杭は絶対だ?
2021.09.23
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境界杭、特にこういうコンクリート杭や石杭があれば、「境界は間違いない。」と思いますね。
しかし今回のように測量図があって、それと照合すると合わないことが多いのも事実です。
もちろん、測量図がおかしいこともあるでしょうし、杭を設置した時に間違えて(特に矢印の方向等)することもありますから、気を付けないといけません。
以前こんなこともありました。
国道に接した土地ですが、国道沿いにコンクリート杭が20mピッチ、あるいは屈曲点にコンクリート杭が設置してあります。
その土地に接した杭で1か所だけ民地に数10cm入り込んでいる杭がありました。(役所内部の資料により明らか)
所有者に聞くとその部分は国道との間に水路があり、橋を新たに設置する時に動いたのだろうということでした。
その旨、立会時およびその後の協議において担当者に話をしても、その担当者は「コンクリート杭は動くものではないのでこれが境界です。」の1点張りです。
埒が明かないので、所有者の意見も聞き、法務局に筆界特定申請をし、最終的にこちらの申請通りの箇所で決着しました。
「しっかりとした杭(コンクリート杭、石杭等)があるから、絶対だ!」という盲信は捨てないといけません。
現況(杭、物証)、測量図・実測図(書証)、人の証言(人証)等総合的に判断してようやく『間違いない』という結論になることを知らないと痛い目に合います。
